●人間
雪掻き『地獄にホトケ』体験から、話が広がって六道を考察してきた。
最後は人間だ。
地獄・天国・修羅・餓鬼・畜生、これらはあったりなかったり、天国かと思えば地獄だし、修羅だし、餓鬼だし、畜生だしと、実際人は幸福を目指しているのに、これらをコロコロ転がって不幸になっている。でもこれまでの考察でわかるように、どこにでもいつでも全く揺れず変わらずホトケが現れる。ホトケの極楽は雲の上の青空みたいなもので六道が雲だ。人は雲に囚われているのだ。雲が降らした雪を地獄と名付け嘆いている。雲があっての青空だし、青空あっての雲だ。いつも快晴では干からびてしまう。
地獄を作っているのは己の思考だ。その不幸の己が幸福を描いても基盤は不幸だろう。だから本当の幸福にはならない。その妄想から目を覚ますことが『地獄にホトケ』なのだ。己の作った不幸の夢から目を覚ますことなのだ。
そういやずいぶん前にこんな夢を見た。
◎夢
僕は岩壁を登っている。あと少しで頂上に到達しそうだ。しかし疲れがピークだ。ヤバい落ちそうだ。吹雪いていて寒い。眠気が襲ってきた。誰かが僕に声をかけた。
「寝たら死ぬぞ!」
僕「ダメだ、とても眠い」
「起きるんだ!」
僕「もうダメだ」
「寝ちゃダメだ。起きるんだ! 起きろ!!!」
僕は起きた。
いつも通りの朝、ベッドの上にいた。当然、周りを見ても岩壁などないし登っている僕もいない。しかし頂上に到達した以上に気分はいい。啓示のような夢、無我の意図だ。
ふと思った。夢と現実が繋がっていた。夢は現実で現実は夢だ。覚めれば雪国だろうと地獄だろうと不幸だろうと何だろうと極楽なのだ。
実際、極楽とは大袈裟な頭が冷めて何でもない当たり前になること、上にはただ空があるだけだ。
頭を冷ませ、目を覚ませ。
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