2017年1月18日水曜日

[5866] 横尾忠則

●横尾忠則
 絵描きしていて、あー、そういやアーティストの横尾忠則さんは『画家宣言』を昔やったなぁと思い出した。調べてみたら彼は1936年生まれで——ゲッ、もう81歳なんだ——画家宣言が1987年、51歳だ。この頃はニューペンティングという楽しい絵描きが盛り上がっていた時代で、NYではジャン・ミッシェル・バスキアがデビューしていた。時代を敏感に感じ取る横尾さんは枠内に嵌めるグラフィックなんか面倒だと、精神の解放と自由に向かったのだろう。僕は次の年の1988年、NYで絵の展示会をする。その同じ年にバスキアは28歳の若さで亡くなった。僕はNYで彼の死ぬ前の絵を見た。確か2m四方ぐらいの絵で、印象としては、何も描かれてなかった‥‥
 ところで僕は粘土以降、一度かなり絵に集中したことがある。2001年、谷中に猫町ギャラリーができたときだ。そこで思った。今回もノリタケの森ギャラリーと縁ができた。壁のあるギャラリーが現前すると絵描き魂が炸裂するみたい。絵の世界でいうホワイトキューブって、僕は今まで縁がなかったのだ。猫町はやや違ったので、ノリタケで沸騰した。その『壁』ってのに何かあるんだろう。僕の小説『自由自在堂』に『壁の章』があり、そこに「壁が創造の引き金になる」と書いあり、深く壁について考察している。あっ! 狭いけど自在堂がホワイトキューブだった。いつも転機は壁なのだろうか‥‥
 僕の作品や絵、アート全般に興味がある方は是非この小説を読んでから僕の絵を見てくれ。壁はどこにでもあり、心の壁が一番厄介だ。壁はアッチとコッチに差別を作るから。
 写真は横尾さんが装丁した真ん中に僕の作品『猫神様』が出ている本の表紙です。この本はもう絶版、でもヤフオクかなんかで買ったという人がいました。ありがたい。


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