2017年1月8日日曜日

[5856] 死体

気色の悪い夢を見た。女性の死体を借りてきて、それに彫刻をしている自分。
 一昼夜彫刻をやり、なかなかいい作品が完成した。まだ暗い早朝、自分の作品を眺めながら、ハッと、この死体は何だ? どこから手に入れたのだろう? これどうしよう? 彫刻のことで頭がいっぱいだったので、その前の記憶がない。外は雨が降っている。目の前には海がある。死体を海に捨てようか、松林に埋めようか、切り刻もうか、と考えたが、それは犯罪だ。死体遺棄だ。ここはちゃんと警察に自首しようと思った。しかし今のこの状況をどう説明すればいいのだろう? この状況を理解できる他人がいるだろうか? どう説明しても無理な気がする。映画ならどうにか面白くできるが、現実では質の悪い変態だ。シャレで変態と呼ばれても面白いが、マジな変態はマズい。あー、どうしよう‥‥
 ここで目が覚めて、はたと気付いた。なるほど、昨日の絵の不出来が解った。ここ数日掛けて完成した大きな絵を、僕の最大の理解者であるSSに見せたら、感動がない。何がマズいのかどう考えても解らない。でも自分も少しだけ何かマズいと感じていたのは確かだ。それがこの夢のおかげで解ったのだ。マジな変態はマズいのだ。マジな変態とはマトモなやつがなるもので、融通がなく、可愛くなく、死体のようなもの。マトモがやるザレゴトは死体に施した彫刻のようなものだ。僕は透明な道を少々見失い、可愛くもない既知のマトモを描いてしまったようだ。遺棄ではなく破棄しよう。


0 件のコメント:

コメントを投稿