2017年1月20日金曜日

[5868] 透明論

●透明論
 絵のことばかり考えている。まあこれまでとそう変わりはないけど。これで、いざ絵に向かった時、絵の微妙な点がよく見えてくるので面白い。
 今日はまあこういうものにも挑戦してみようと微かに気に入っている下書きをタブロー化してみる。描いている途中、まったく面白くない。出来が悪い。やはり微かにしか気にいってないからよくなかったのだ。「ダメだ、オレ、才能ない、こんなの没にして、得意なタッチでいこう」と思ったが、心のどこかに諦めてはいけない、これも微かな思いがあって、こんな落ち込んだ気分のまま、もうちょっと進めてからでもいいだろうと、ちょいと視点を変えて、没だと思った全体を気にせず、無視して、細部の気になる点をいじってみた。細部はもちろん生きるが全体にとっては無意味だ。しかし気になる数多くの細部をいじって生かしていくうちに、全体が生きてきた。驚きだ! 諦めて、いつものことで満足していたら、こんな感動はなかったろう。今までにない、まるで僕の内部に、こんな美しいイメージなど皆無と思い込んでいたものが表出したのだ。
 僕の奥深くに見たことのない色の光が差し込んだ。

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