2017年1月17日火曜日

[5865] 内省的前進論

●内省的前進論
 雪掻きで身体、特に膝がしんどい。今日は筆を持つのは止めて、下書きをする。これが意外と楽しいことが絵描きに意識転換してから解った。それに結構大事だ。これまでほとんど消しゴムを使ったことがなかったのに、今は消しゴムが必需品になっている。前はチマチマやることに時間がもったいないし、時は金なりというせせこましい概念が意識を覆っていて、走り書きのようなクローッキーで納得していた。あんまし吟味せず、いい加減に描いていたんだ。それが個性だと思って自分を誤摩化していた。いやいやとんでもない間違いであった。
 いい線を探して、消しゴムと鉛筆の地味な繰り返しをすると、つまらない下書きだって、捨てたもんじゃない。まるでわけの分からん拾ったボロボロの地図のようなものに騙されて、宝探しに出かけ、トンチンカンな所で本物の宝と出会うような、どんな所にだって宝の名作が潜んでいることが解る。こういう時間の経つのも忘れる連続した小さな感動はとても大事だ。昨日の絵日記に書いた『透明な時間論』がここにある。そのうちここから方向が変わって新しい絵が目の前に出現するかもしれない。空間と時間は同じだ。一寸先は未来だ。

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